[コメント] タルチュフ(1926/独)
モリエールの戯曲を映画中映画としてもってくる構成は趣向として悪くはないと思うけれど、プロローグとエピローグの現実世界が少々教条主義的。
私はモリエールの「タルチュフ」自体をF・W・ムルナウがじっくり演出した映画が見たかった。この映画中映画「タルチュフ」も演出は見事なものだが、戯曲をかなり簡素化し毒気を抜いたものになってしまっている。
しかしムルナウの演出とカール・フロイントの撮影は、冒頭の呼び鈴のアップから絶好調という感じで見せに見せる。エミール・ヤニングスとヴェルナー・クラウスは怪演だ。いろいろ無い物ねだりをしても、傑作であることには間違いない。
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