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[コメント] 捨身の一撃(1955/米)

当時濫造されたウェスタンの小品に過ぎないし、テレビ時代になってこれが飽きられたのもようく理解できるが、しかし今となってはこのような安定した技量が失われたことを残念に思わずにいられない。もっともっと再評価すべき監督ジョセフ・H・ルイスによるランドルフ・スコット主演の佳作西部劇。
ゑぎ

 復讐にやってくるガンマン、自分の運命を受容しながら毅然と立ち向かう保安官、別れた女との再会、ショーガールのヒロイン、町の有力者の権力争い。或いは保安官事務所と牢屋、サルーン、ホテル、床屋、牧場。これら西部劇として極めてありきたりの道具立てを使って見事に安定感のある画面を作っている。また実に面白い。ランドルフ・スコットの重厚なヒーロー像が全面的に映画を背負って立っている。

 古い映画ファンには忘れられない三人の女優が出演している。ヒロインを演じるアンジェラ・ランズベリーはタイツ姿での歌唱シーン等もあり、まだまだ魅力たっぷりだ。かつてオーソン・ウェルズの元でマクベス夫人を演じたこともあるジャネット・ノーランはここでもバイプレイヤーぶりを示すが出番が少ない。経歴的には最もビッグ・ネームであろうジーン・パーカーは性的な見せ場も作れる役どころだが、容色の衰えが悲しい。「ジーン・パーカーに似た女優だけどジーン・パーカーじゃないよな」と思いながら見ていたほど。

(評価:★4)

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