[コメント] 昼下りの決斗(1962/米)
斜面の西部劇。この系譜には勿論アンソニー・マンの岩山への拘りがあるしイーストウッドの『ペイル・ライダー』でも全編に亘って斜面を描く作家的野心が見て取れるのだが、『昼下りの決斗』のペキンパーも斜面を描くことに拘っている。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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『ワイルド・バンチ』と並ぶ、いやそれ以上といってもいいペキンパーの代表作であり、最高傑作。ヘイズコード以前だからこその抑圧された性と暴力の描写が胸を突く。ペキンパーには高速度撮影も吹き上げる血糊も必要なかったことがようく判る。このような後のペキンパーを印象づけ、ジョン・ウーという名の似て非なるまがいモノが近しいかのように言われる特徴的な演出はここでは全くない。しかし、L・Q・ジョーンズやウォーレン・オーツが登場した途端に発する暴力性、フィルムに定着した腐臭のするようないかがわしさはペキンパーならではのものだ。
ウォーレン・オーツ達が結婚式場(実は娼館)へ合唱しながら馬で向う結婚式の夜のシーンがこの映画の白眉だろう。はっきり言ってこのシーンの悲壮な美しさには鳥肌がたちました。
#悪役の多いR・G・アームストロングが珍しく敬虔なクリスチャンでヒロインの頑固な父親として登場する。また、ウォーレン・オーツはカラスを肩に乗せて登場する!
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