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[コメント] 真珠の頸飾(1936/米)

オープニングはパリの屋根のカット。カメラは自動車会社のオフィスの窓に寄って行く。オフィスにはクーパーがいる。彼が休暇を取得しスペインへ旅行をする、その顛末を描いた映画だ。クーパーはいつも通り真っ直ぐで明朗なキャラクター。やはり、いつもの通りアメリカの良心を体現する。
ゑぎ

 邦題は劇中のマクガフィンに焦点を当てた即物的なものだが、原題は『DESIRE』といって随分と意味深なタイトルだ。ただし、このタイトルで連想されるような強烈な感情は殆ど描かれない。あくまでもフランク・ボーゼージらしい、ふわっとした甘いロマンチック喜劇なので、邦題の方が相応しいように思う。面白さということでは、エルンスト・ルビッチがプロデュースしているだけあって、かなり面白い喜劇。特に前半の、ディートリッヒが宝石商と精神科医を手玉に取る場面が、良くできている。また、後半の舞台になる邸宅のセットがとても良い。脇役では、ディートリッヒの叔父に扮するジョン・ハリデイが上手いところを見せる。エイキム・タミロフがスペインの警察官で出てきて、期待させるのだが、ちょっと中途半端な扱いで残念。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)袋のうさぎ

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