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[コメント] マッチポイント(2005/英=米=ルクセンブルク)

落ち着いた色調とローキー気味の画面がいい雰囲気のシーンも沢山あるのだが、それでも、映画として中途半端で、物足りない場面も多いのだ。スカーレット・ヨハンソン登場の逆光ぎみの光線処理、レストランやパーティ場面の光量を絞った、あるいは斜光を取入れた画面はいいと思う。
ゑぎ

 しかし例えば、雨の中の麦畑のシーンだとか、オペラ観劇、乗馬や射撃、といった貴族趣味の見せ方、あるいは、ヒューイット家の階段の装置としての使い方だとか、ウディ・アレン映画に今さら云っても仕方がないが、もうちょっと映画の画面を造型する気概を見せて欲しい。

 事件の場面の描き方は悪くないと思うけれど、その後の刑事二人の会話はつまらない。この二人だけ、明らかなコメディリリーフ(しかも幼稚なディレクション)で、全体の中で浮いてしまっている。

 暗い場面も多いが、美術館(サーチ・ギャラリー、テート・モダン)と、絵画の扱い(屋外の壁に、落書きのようなバンクシーがさりげなく出てきて驚かされる等)や、大きな窓のある部屋(テムズ川とビッグベンが見える窓)、といった開かれた空間のイメージもあり、これは良い対比になっている。

(評価:★3)

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