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[コメント] レディ・イン・ザ・ウォーター(2006/米)

スクラントとタートゥティックの扱いだとかは相変わらず過剰な緊張感で見捨てられない魅力があるのだが、しかし、作劇臭い。ホラ話に付き合わされたという感覚が残る。それは思わせぶりで放りっぱなしの演出が多過ぎるからだが、
ゑぎ

**ネタバレ注意**
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 その最たるものがシャマラン自演のキャラクターの扱いと映画評論家−ボブ・バラバンの幼稚な描き方だ(この描き方は流石にいかがなものか)。また、ジェフリー・ライトの息子や動物好きのお婆さん・メアリー・ベス・ハート(お婆ちゃんになっても可愛い!)の役割にも観客が振り回される。それでいて体の右側フェチのフレディ・ロドリゲスが俄然脚光を浴びるという展開も観客を馬鹿にしている、と思えてしまう。私はこういうのを脚本の責任だとは思わない。前半でフレディ・ロドリゲスを的確に演出していないから納得性が生まれないのだ。つまり演出家の責任なのだ(っていうか、いずれにしてもシャマランの責任だが)。

 また、クリストファー・ドイルの撮影もイマイチ上手くいっていないと思った。手持ちカメラの才気は殆ど感じられないし、或いは、海の精ナーフが登場する前の場面で、ポール・ジアマッティの肩越しに部屋の窓の向こう(プールのあるところ)に影が動くカットがあるのだが、このフォーカスが外れた影を演出する際のフレーミングなんかもぎこちない。さらに言えば、ブライス・ダラス・ハワード をもっともっと幻惑的に撮らないと駄目な映画じゃないか。もっとこの世のものとは思えないような美しさが必要じゃないか。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)袋のうさぎ ドド[*]

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