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[コメント] 山麓(1962/日)

三田佳子を主人公にした四姉妹のお話。三田は四女。長女から三女までは、淡島千景扇千景岩崎加根子が演じる。母親が山田五十鈴、父親が笠智衆だ。プロローグとエピローグは三田とその恋人・千葉真一二人のシーンで円環としたおさまりの良い構成。こゝでも瀬川昌治は多彩な人物を過不足なく見せ切っており、安定した手慣れた演出だ。
ゑぎ

 しかし、全編通じて頑迷で独裁的な山田五十鈴の独壇場とも云えるし、中盤以降は淡島の身のふりようがポイントになり、淡島の映画になってしまう、とも云える。

 舞台設定も、大きな噴水のある公園(これはどこなんだろう?)、戸建ての家、小さな団地アパート、銀座の舗道、北海道の風景といった多彩な舞台が用意されており、クライマックスは八ガ岳の山麓になる。当時の娯楽映画の定石で、クラブのシーンもある(松尾和子が唄う!)。題材は文芸映画っぽいもので、松山善三の志向性は、文芸映画だったのかも知れないが、演出のそれは、全きエンターテインメントなのだ。カメラワークも、屋内シーンでの前進ドリー撮影の連打なんかは、これでもか、というぐらい執拗なもので、これだけやると下品ではないかと思えるが、これも、娯楽性重視という名のサービス精神だろう。

#備忘でもう少し配役等を。

・長女・淡島の夫は西村晃。いつもながらのヤらしさ。しかもテクニシャン!次女・扇の夫は丹波哲郎。三女・岩崎の夫は南廣

・三田の見合い相手は公認会計士で銀座に事務所があり、ベンツに乗る渡辺文雄。淡島がかつて(結婚前に)想ってた男に木村功

・謡曲の先生で沢村貞子。三田の見合いを世話する伯母さん?役で吉川満子がワンシーンだけ登場。山田五十鈴と吉川満子のツーショットはとても怖い。

・岩崎の夫・南廣は国鉄職員か。同僚に潮健児

(評価:★3)

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