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[コメント] スミス都へ行く(1939/米)

現実ばなれしたファンタジーだが、フランク・キャプラらしい有無を云わさぬ豪腕な構成力でぐいぐい引きこまれる。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ガイ・キビークロード・レインズエドワード・アーノルドユージン・パレットらを一気に見せる巻頭タイトルバック開けの呼吸もいいし、上院議長役のハリー・ケリーがラストカットっていうのもとっても嬉しくなる。それに勿論、ジェームズ・スチュワートのテンションの馬鹿高い演技・演出は特筆すべきだし、ジーン・アーサーも本作が彼女のベストワークと云っても過言じゃないだろう。

 しかし、同時に矢張りキャプラらしく細部の演出には違和感が多い。リンカーン像の前の気恥ずかしいシーンは我慢するとしても、例えばペイン上院議員(クロード・レインズ)の娘の前でスチュワートが帽子を何度も落とすシーン。こゝがフルショットじゃなく、帽子のアップなのだ。こゝはどう考えてもフルショットだろう(ルビッチやホークスなら絶対にフルショットだ)。こういう部分がフランク・キャプラの欠点だ。判りやす過ぎるというか幼稚というか。

#証人喚問されるテイラー(エドワード・アーノルド)派の人物の中にラッセル・シンプソンがいる。フォード映画の中の彼とは全く別人のようなルックスだ。彼はその後、州での演説シーンにも登場。またBGMで『駅馬車』と『いとしのクレメンタイン』の音楽がそれぞれ一度だけ流れる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ぽんしゅう[*] パグのしっぽ uyo

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