[コメント] マリー・アントワネット(2006/米)
『ロスト・イン・トランスレーション』同様、車窓の映画。本作でも馬車の窓ガラス越しに外を見るキルステン・ダンストのカットが非常に象徴的に使われている。
**ネタバレ注意**
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象徴的という意味で、ラストは馬車のシーンなのにガラス窓への反射カットをあえて使わない選択が行われているのだろう。いやにそっけないエンディングになってしまったが、アントワネットの変化の表現としては判りやす過ぎるほど判りやすい演出だと思う。ま、とにかく好悪はあろうがソフィア・コッポラの演出、特にビジュアル・イメージには一貫したスタイルがある。
ただ、例えばこの演出家の窓に対する感性はとにかく窓を映せば映画になるという教科書からの引き写し的な嫌らしさを感じさせてしまうところが辛いところだ。同じような話として、ジャンプカットの多用もそう感じる。あるいは、オペラを見て拍手するシーンが2回わざとらしくリフレインされる部分なんかも作劇的過ぎて白ける。
しかし、マリアンヌ・フェイスフルもそうだが、オーロール・クレマンを引っ張り出してくるところが凄いよね。これも教科書的(シネフィル的)と云えるけれど。
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