[コメント] つぐない(2007/英)
矢張り前半部分がいい。つまりはシアーシャ・ローナンが出なくなるとつまらなくなる、或いはロモーラ・ガライへのリレイにもがっかりするが、しかしそれ以上に前半の演出の緊張感が強烈だ。特にローナンの視点での2つのフラッシュフォワードに力がある。後半は前半の力強さをずっと希求しながら過ぎていくという感覚を持つ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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前半の2つのフラッシュフォワード、 (1)庭の池の前でのキーラ・ナイトレイとジェームズ・マカヴォイの件、 (2)図書室の件、の時制の演出が効果を上げる。このような時制の混乱や輻輳、或いは中抜きの繋ぎ、手持ちカメラの多用、不安定な構図などは昨今の流行りの画面造型だが本作の前半はかなり上手くいっている方だろう。また音楽の効果も大きい。
後半の一番の見所はどうしてもダンケルクの海岸のシーンということになるが、もともと私はシーケンスショットが大好きなのだが、しかし幻想的過ぎるというか演劇的過ぎるというか、例えば回転木馬や観覧車まで映しこむのはわざとらしいと思う。
エピローグでヴァネッサ・レッドグレーヴがとても品の良いお婆さんになって出てくるのでホッとする。彼女の贖罪についての映画なのだが、画面上においてもレッドグレーヴが出てくると救われる思いがする。
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