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[コメント] 海外特派員(1940/英)

ヒッチコックのこのハリウッド第二作は、第一作なんかとは桁違いの傑作だ。アムステルダムの会議場前階段での黒い蝙蝠傘のシーンがつとに有名だが、風車内のシーン等も何ときめ細かなカット割り。柱や階段で視線が塞がれる空間の描写は、歪(いびつ)さも感じるが、全くヒッチらしい『レベッカ』にはなかった画面造型だ。
ゑぎ

 クライマックスの航空機の海難シーンへの導入部で、飛行中の飛行機の窓の、完璧なすり抜け移動カットがある。1940年にしてこの造型!例えば、1996年『ミッション:インポッシブル』での走る新幹線(TGV)の車窓への、CGによる寄りのカメラワークなんかは比較にもならない素晴らしさ。デ・パルマなんて、全然歯が立たない。こんな映画を見てしまうと、映画は全く進歩などしていない、と思えてしまう。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)袋のうさぎ

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