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[コメント] ミニヴァー夫人(1942/米)

まあ大した戦意高揚映画だ。牧師・ヘンリー・ウィルコクソンのラストの説教には複雑な感慨を抱いてしまう。破損した教会の屋根の大きな穴にカメラが少しズームすると航空機がフレームインする演出にも驚いた。ウィリアム・ワイラーって時々このような奇矯なことをやる。
ゑぎ

 またワイラーも階段大好き監督の一人だが本作もミニヴァー家の階段のセットがいい。そして本作でオスカー受賞のジョセフ・ルッテンバーグの撮影がとにかく美しい。寝室のシーンの灯りを消した後などローキーの画面がいいし、湖の側でガーソンが釣りざおを持ったヘンリー・トラヴァースに会うシーンの木漏れ日の表現なども素晴らしい。このシーンの後に登場するのがドイツ兵役のヘルムート・ダンタイン。この人への演出はちょっと突出したシーンになっている。ワイラーのディレクションは前半の子役2人やメイドに対するようなワザとらしい部分もあるが、品評会のシーンのデイム・メイ・ウィッティとトラヴァースへの演出等感動的な部分も多い。メイ・ウィッティの威厳がいい。

(評価:★4)

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