コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009/香港=仏)

エグザイル 絆』に比べても映画的な道具立て(記憶障害、写真、沢山のシール等)がシンプルかつ鮮やかな反面、大きなゴミのかたまりをバリケードにした銃撃戦のような幼稚とも云える荒唐無稽さもアップ。視覚的に分かりやすいということは、常にいいことだ。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 冒頭のドアの除き穴(ドアスコープ)越しの射殺シーンは、これって結構予測のつく撮り方・繋ぎ方です。なので、「あれれ?」って思ったのですが、サイモン・ヤム演じるボスのファンがレストランで情婦にいきなり暴力的なキスをするシーンが来て、かなり「おゝ」となる。このキスの唐突かつ過剰な演出がいい。またサイモン・ヤムの緒形拳を彷彿させる笑顔、いいですね。このシーン、観客はかなり驚かされますが、次の展開でキスの意味がちゃんと描かれる。やっぱりこういう見せ方がいい。他にも、ジョニー・アリディがポラロイドカメラで写真を撮る理由も中盤まで示されない、なんてのも見せ方の上手さだと思う。

 あと、銃を調達するシーンで皆で試し撃ちする場面。銃弾の力で無人の自転車を走らせる。こゝなんか、数多の映画の自転車のシーンが想起されて、やっぱり自転車は幸福の象徴だなあと思います。また、幸福の象徴と云えば食事シーンもそう。冒頭の食事の準備。殺し屋3人と一緒に食べながら銃の手入れをするシーン。夜の公園のバーベキュー。海辺の家での食事。炊飯器。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)3819695[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。