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[コメント] 大悪党作戦(1966/日)

アヴァン・タイトルは競馬場。宍戸錠高英男の頬に斬りつける。高英男の顔アップで画面はストップし、タイトルが赤文字で出る。この冒頭からズーミングをめちゃくちゃ使う。
ゑぎ

 その後、捕らえられた宍戸は、吉田輝雄と高英男に連れられてホテルの一室へ。こゝに、待田京介嵐寛寿郎真理明美アントニオ古賀といった主要メンバーが集まる。真里明美がすこぶる可愛い。また、待田のナイフ使いも面白い!タイトルの「作戦」とは、競馬場の売上金強奪計画を指す。

 しかし、序盤で一番瞠目したシーンは、宍戸と真里の回転ベッドのシーンだ。ミラーを上手く使い、虚実が混沌となる演出は秀逸。こゝは突出した良さがある。また、強奪犯行場面までも展開が早い早い。さらに、実行局面になって、新たな仲間が登場するのもいい。競馬場内では、馬券売り場のお姉さんで三原葉子。盗んだ現金の受け渡しリレー役で田中邦衛清水まゆみ

 出だしから、この映画の舞台はどこだろうとずっと思いながら見ていたのだが、清水まゆみが乗るラリー車が富山ナンバー、そして、田中邦衛が敵役の安部徹に脅される非常階段の場面で、金沢信用金庫の看板が見え、ようやく金沢が舞台だと分かる。

 後半は、剣山、立山連峰を舞台とした雪山の中の逃亡と追跡のシーケンスとなる。女優陣、三原葉子らはハイヒールで雪中行軍させられているし、男優陣は、雪の上を爆走させられ、転げまわりながら追いかけ合う。ということで、なんともカオスな状態になるのだ。ズーミングも使いまくるし、落ち着きのない画面の連続ではあるが、それでも面白いので、微笑しながら見てしまう。そして、後半まで、宍戸の目立ち方に負けていた吉田輝雄が、ラストになってがぜん取り返す、という展開も嬉しいのだ。

(評価:★3)

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