また、ゴズリングが、女、ラータ・ポーガムによって椅子に縛られる部屋も赤い光。対比するように、刑事、ヴィタヤ・パンスリンガムの家は緑色の壁が印象に残る。

　警官たちが見る、刑事のカラオケ場面の天井には沢山の提灯。女がカラオケをするキャバレーのような店も独特の色遣いだ。とても明るいホテルのフロント。クリスティン・スコット・トーマスは、ピンクのカーディガンを着て登場する。シンメトリーの画面の多用等も含めて、全編ビジュアルは面白い。だから飽きずに見ていられる。でもそれだけだ。全編キザったらしく思わせぶりだが、結局それだけ。しかし、クスリとさせられるシーンは多い。

　やはり、レストランでキレるスコット・トーマスと平気な顔のゴズリングのシーンと、オレと闘うか、と云ったあと、ゆっくり時間を使って刑事と闘う、ゴズリングのぼろ負けシーンがいい。刑事が背中の刀を抜く際の、シャキーンという効果音も笑う。