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[コメント] 遭難者(2009/仏)

本作も峠を越えるサイクリストの場面から始まる。タイヤがバンクし、路傍で修理しているところに、ヴァンサン・マケーニュ=シルヴァンが車で登場する。お菓子を食べながら話しかける様が、甚だ胡散臭い。
ゑぎ

 サイクリストは援助を断って、自力で修理しようとするが、結局諦め、徒歩で町へ到着する。駅へ向かう車を探していると、シルヴァンが再登場。すぐに駅へ送ってもらうのだろうと思いきや、酒場で2人で飲んでいるシーンが来る。そろそろ車で送る、と云った後、酒気帯びで風船を膨らますカットが繋がれる。といった、ちょっとずつ、観客の予想を裏切りながらシーンを繋いでいく呼吸は、矢張り、この監督らしさだろう。登場人物とロケーションは『女っ気なし』に継承される。

#備忘

・パン屋にいる太ったおばさんは『女っ気なし』に出てきたマリー。「私みたいになるよ」/白い崖。崖が見える草原。フランス北部のオルト(オー、Ault)という町。/遭難者という邦題は大げさか。英題のSTRANDEDは「足止めされた人」ぐらいか。

(評価:★3)

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