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[コメント] 都会の女(1930/米)

これも凄い凄い。完全無欠の超絶構図だらけ。もう冒頭の、汽車の中に座っているチャールズ・ファレルの美しい構図で、既にノックアウトされてしまう。シカゴに場面が移ってからのカフェのシーンは、アクション繋ぎの連続だ。
ゑぎ

 女給のメアリー・ダンカンが住むアパートの部屋の窓外を列車が通る美術装置も面白い!そして、ミネソタの農場に戻って来たファレルとダンカンの二人が、麦畑を走るドリー・カットのなんと素晴らしいこと!幸福感溢れるドリー。麦の刈り入れシーンで、コンバインを引く沢山のロバの画面、そのスペクタキュラーにも驚く。

 終盤の展開、クライマックスをお膳立てするはずの嵐の描写が腰砕けだったり、ファレルの父親とダンカンの和解が性急過ぎたりといった部分が難ではあるが、しかし、やはり、全編に亘るこの画面の美しさ、充実は、ただ事ではありません。

#備忘で、後年トーキーになっても活躍する脇役について書き留めておきます。

・臨時雇いの農場労働者として、リチャード・アレクサンダーグイン・ウィリアムズジャック・ペニックの3人が目立つ。アレキサンダーはパットという役名もあり、メアリー・ダンカンを横取りしようとする悪役で大事な役割り。ウィリアムズは若くてハンサムなので驚く。ペニックは、後のフォード組の常連だが、フォード映画では、科白もなく後景に映っているだけの場合が多いが、本作では科白もある(勿論、字幕ですが)。

・ファレルの妹(?)は、『周遊する蒸気船』の5年ほど前、10歳そこそこのアン・シャーリーだ。めっちゃ可愛い!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)袋のうさぎ 赤い戦車 ぽんしゅう[*]

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