[コメント] 紙の月(2014/日)
なかなか良く出来た映画ではあるのだが、肝心なところで上手くいっていないと感じた。例えば、宮沢りえと池松壮亮が駅改札で再会した後の地下のホームのシーン。2人の視線の演出とモーション制御(宮沢の歩く後ろ姿の高速度撮影)、そして振り向く所作。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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このあたりは何てありきたりなのだろう。その次に地下ホームで再会する場面で、車両の通過と共に一旦消えた宮沢が池松の背後の階段を下りて来るカットだって、ま、悪くはないのだが、こゝも"ありがち"な演出じゃないか。2人がホテルへ行くに至る動機(納得性)を端折るのは別に良いと思うが、であればこそ、こういうお膳立ての演出がもっと効果を発揮しないとダメだと思うのですよ。あと、スイートルームのシーンの小刻みなカメラの動きとズーミングの多用もホントに昨今の流行、特にハリウッド映画で"ありがち"なカメラワークで甚だ幻滅した。
ただし、エンディングへ向かう荒唐無稽さでポイントを上げる。宮沢の走りっぷりには感動する。女優については、宮沢に対しても大島優子に対しても、綺麗に撮ってやろうという意思があまり見えない演出で、かえってこれは面白い。そして最後に印象をさらうのは小林聡美だ。
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