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[コメント] ヘイル、シーザー!(2016/米)

コーエン+ロジャー・ディーキンスとしては、中程度の出来、というか、いかにも肩の力を抜いてリラックスして作ったという感じがするが、しかし、映画ファンとしてはとても嬉しい映画への愛と侠気溢れる作品だ。
ゑぎ

 それは、なんと云ってもジョシュ・ブローリンの私利を超えた映画愛の造型だし、そしてオールデン・エアエンライクの、なんにも考えていないのだが、存在自体が映画に愛されているとしか思えない映画スターの造型だ。

 挿入される映画撮影風景、映画の画面の各パートはどれも想像以上の出来だ。西部劇シーンのエアエンライクの見事な曲乗り。 スカーレット・ヨハンソン のパートの水中シーンから鯨の大俯瞰へと繋ぐイメージにも目を瞠る。チャニング・テイタムら水兵による酒場のダンスもよく出来ている。一番笑ったのは、ベテラン編集者を演じるフランシス・マクドーマンド のシーンだが。

 ジョージ・クルーニーのキャラクターの一貫性(或いは納得性)に難ありと思いながら見たのだが、ラスト近くのブローリンとのからみのシーンで、この人も根っからの映画スターであり、何も考えていないアホな人だった、という帰結を理解する。ただ、そうは云っても、クルーニーの扱いは落ち着きが悪い。

 本作は、ブローリンの懺悔ではじまり懺悔で終わる。また、ブローリンのビンタではじまりビンタで終わる、とも云えるだろう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)週一本 YO--CHAN[*] けにろん[*] ぽんしゅう[*]

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