[コメント] ロスト・バケーション(2016/米)
まずは、90分を切る尺への志が嬉しい。前半のサーフィンシーンの撮影も目を瞠るが、サーフボードが既にサメの暗喩として機能する演出も見事だと思う。
そして、浜辺から200メートルという浅瀬を舞台にした、サメとの死闘はもう「現実らしさ」を遥かに凌駕する演出の連続で、ジェットコースターのような怒涛の展開だ。傷ついたカモメがずっと側にいる、というアイデアもいい。カモメの感情の描き方も絶妙。さらにブイに渡る際のクラゲがいい。スタジオのプールでの撮影みえみえとしても、このクラゲのライティング(照明)のスペクタクル(見世物としての外連味)には感動する。これがなかったら、1ポイント下がる、というべき演出だ。このような、プリプロダクションでのアイデアだけでは創造できない、撮影現場の造型、撮影現場の創造性の伝わる演出が横溢している。それが、これだけの面白さの所以であると思う。
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