[コメント] リアリティのダンス(2013/チリ=仏)
やっぱり一番笑ったのは、イバニェス大統領暗殺を企てる、犬の仮装コンクールのシーンですね。アダン・ホドロフスキー演じるアナーキストのカンガルーが最低で表彰される。このカンガルーが一番笑えた。
続く、ハイメ、ブロンティス・ホドロフスキーがイバニェスの愛馬の馬丁になってからのシーンもとてもいい。馬の演出が全く見事で感心した。しかし、何と云っても全編を通じて、母親(サラ)役のパメラ・フローレスが圧倒的な図太さとぶっ飛び具合で、本作の面白さに貢献しているのは間違いない。
かつての『エル・トポ』の頃と比べて、なんと肩の力の抜けた余裕綽綽の演出だろうか。いや、絢爛豪華かつ美しき変態画面とアナーキーな演出は当時と変わらないのだが、現実世界の客観化と自己言及の造型が随分と分かりやすくなった、つまり、面白くなった、と云っていいのではないだろうか。
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