[コメント] 女神の見えざる手(2016/仏=米)
歩く人の映画。また、強い顔の映画。そして卓越したカッティングの映画である。ロング、フルからミディアムへのカッティング。はたまた真俯瞰、俯瞰、仰角の使い方。見応えがある。
例えば、一日目の聴聞後、エレベーター前での弁護士とのやりとりのカッティングの冴えに唸る。或いは、オフィスの盗聴器(疑惑)を避けるために、戸外にメンバーを集めるシーンだとか。
ホテルで会うエスコートサービスの男フォード−ジェイク・レイシーのエンディング近くの扱いに快哉を上げる観客も多いだろうが、私はこゝはワザとらしく感じる。単純に、彼とのホテルのシーンの淫靡なプロットは良いアクセントとなっており、好ましいと思う。また、エズメ−ググ・ンバータ=ローが銃を向けられるシーンからの一連の流れも、この展開はちょっと臭い。
しかし、ジェシカ・チャステインの造型の複雑さが本作の面白さを押し上げているということで、大方の観客は異論がないだろう。ある意味、レクター博士レベルのサイコパスなのだ。そんな複雑なキャラではあるにも関わらず、ヒーローとして描き切っている、というところがエライと思うのだ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。