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[コメント] スター・ウォーズ 最後のジェダイ(2017/米)

我ながら浅ましき感傷癖なのだが、若きレイアからオビワンへのメッセージ、かのエピソード4のホログラム映像を繰り出される部分で泣きそうになってしまった。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 或いは、ヨーダの登場。こんな役割で出してしまうのも節操がないと思いながら、前作ではヨーダ希求感が強かった私としては、こういうサービスに、結局感動して悔しい思いをしてしまうのだ。

 負け戦の映画。だからということもあって、苦悩や確執が描かれるシーンが多く、3部作の中間作として『帝国の逆襲』と似てしまう位置づけにある。ただ、ある程度、敵にも損害を与えるので、それほど悲愴ではないし、子供向けと思しき、チューバッカとボーグのコメディシーンや、下手なジョーク、さらには、命を粗末に(軽く)描く、不遜な演出が思いの外多く、かなりバランスが悪いのだ。

 陰気なシーンで、もっとも辛かったのは、レイとカイロ・レンの異空間テレパシー会話の演出部分で、ちょっとこの繰り返しは納得性も低い上に辛気臭過ぎる。もうちょっと芸のある見せ方はなかったものか。また、孤島でのレイとルークのシーンも肩透かしだ。殆ど教育を描く気がない。というか、ルークの教育放棄がいかにも仕方がないかのような扱いで描かれる。そんな中で、レイは本作でも、なんの練習もなしにフォースを身につけるのだ。

 さて、本作最後の戦場となる塩の惑星にいたって、ようやく映画に活力が戻ってくる。まず、血のような赤い塩の軌跡がビジュアルとしていい。爆弾をメチャクチャ撃ち込まれても、すっくと立っているルーク。肩の埃を払う紋切型の所作には笑ってしまいながらも、最強のヒーローを造型しようという意志が伝わってくる、映画愛が伝わってくる演出だ。悲しいかな、老いた(或いはもとよりポテンシャルと云うべきか、)マーク・ハミルには荷が重すぎる演出なのだが。

 結局、映画俳優として、もっとも良い仕事をしたのは(巷では、中途半端で、扱いが酷いと云われている)、DJ役のベニチオ・デル・トロだったのではないか、と私は思った。彼だけが誰とも違う、現実らしさをまとわない、映画の演技を定着させているのではないだろうか。

(評価:★3)

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