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[コメント] レッド・スパロー(2018/米)

まずは、このオープニング、アヴァン・タイトルに惹きつけられる。ジェニファー・ローレンスのバレエ・ダンスと、ジョエル・エドガートンの諜報活動とのクロスカッティング。いずれの昂奮も高め合う見事な演出だ。
ゑぎ

 以降、この冒頭を超えるほどのシーンは現れないし、ローレンスと母親の関係を挿入する場面等で若干の弛緩もあるけれど、それでも、全編緊張感を上手く維持している。

 キアラン・ハインズジェレミー・アイアンズマティアス・スーナールツという悪役トリオも申し分の無い出来だし、それに加えてシャーロット・ランプリングが「娼婦の学校」の監督官という良い役回り。さらに、黒ずくめの若い殺し屋が極めて残酷かつ唐突な暴力を表現して、強烈な印象を残す。というように、活劇にとって最も重要な要素と云っていい、悪役の存在感も充分だ。

 また、演出のきめ細かさに唸らされる部分もいくつかある。例えば、ブタペストのシェアルームの建物。門を入ると、上階の廊下に犬がいるのだが、最初のシーンでは、きちんと犬を映す。続いて、2回ほど、帰宅時の場面を短く挿入し、オフの鳴き声だけを聞かせておいて、3回目の帰宅の際は、鳴き声がなく、ローレンスの視線の演出(上階の方をちらっと見る視線)で犬の不在を印象づけ、サスペンスを高めるのだ。このあたりは上手いと思う。その他、メアリー=ルイーズ・パーカー演じる上院議員のキャラ造型やその顛末の描き方、クライマックスの夜の飛行場の演出、グリーグの音楽の扱い等含めて、なかなか良く出来ている。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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