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[コメント] ホンドー(1953/米)

なかなか格調高い本格ウェスタン。『捜索者』よりも3年前だが、このウェインはイーサン・エドワーズを少し彷彿とさせる。或いは本作も『シェーン』等と同じくガンマンと母子の映画だが結末は全く違う。また、ウェインはこゝでもウインチェスターM92のラージ・ループ・レバータイプを使う。このライフルの扱いはやっぱり格好いい。
ゑぎ

 本作を傑作や名作と呼ぶのがはばかれるとしたら、矢張り、主人公ホンドーにイーサン・エドワーズのような複雑性がないからだろう。ホンドーはかつてアパッチの妻を持ち、アパッチと一緒に暮らしていたということや、先年、3人も殺したことが風聞となっている、といった背景があるのだが、上手く活かす演出がされていない。

 ロバート・バークスの撮影もスカッとした質感ではない。ローケーション場所も微妙な風景で土や水の色が違うという感覚を持つ。これはわざとだろうと思うが、好悪が分かれるところだろう。

 ヒロインのジェラルディン・ペイジは綺麗にも不細工にも見える。ネチャネチャ喋るところが可愛くないとも可愛いとも云える(どっちやねん)。しかしこのレベルの女が荒野に子供と2人で暮らしているのならば、ゆきずりのガンマンもアパッチの男どももほっとかないだろう、とは思う。

 前半の牧場のシーケンスでは、馬の蹄の手入れや蹄鉄をはかせる等の馬を扱う動作が上手く演出されている。或いは斧をグライダーで研ぐ等作業をしながらの会話シーンも目を引く。

 あと、本作は3D映画として公開されたということだが、確かにナイフをカメラへ突き出したり、という演出はあるが、全体にこれ見よがし感がない。

(評価:★3)

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