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[コメント] 女王陛下のお気に入り(2018/アイルランド=英=米)

蝋燭等の炎だけの照明はいい。撮影のエッセンスは照明と露光だ。画角、構図、移動やズーミングの制御、といった事項以上に、本質は光の扱いと云っていいと思う。しかし、それでも本作の広角レンズの多用にはゲンナリする。
ゑぎ

 このレンズで素早いパンニングも繰り返す。あるいは、ほとんどのカットが仰角というのもちゃんと考えてのことなのか疑わしい。仰角構図は冒頭のアヒルのレースあたりで既に飽きた。広角・仰角は異常な世界のカリカチュアのつもりなのだろうが、こゝまで使い倒すと映画全体の品性を下げてしまっていると感じる。

 ただし、三女優の演技合戦は見応えがある。三者三様に見せ場があり甲乙つけがたい。プロット展開上は、エマ・ストーンの変貌がポイントであり、彼女が一番の儲け役に思えるが、オリヴィア・コールマンレイチェル・ワイズ共に負けない存在感を示す。私としては、ワイズのスカーフェイスが好きだ。主に俳優の演技・演出を楽しむ、という見方をする人には良い映画だろう。そういった観点でも、エマ・ストーンが泥の中に突き落とされるといった落下や、横臥の反復、あるいはビンタのモチーフといった演出はもっと効果的な使い方ができるのではないかと思ったが。

 ラストのコールマンとストーンと兎の多重露光、これは意味不明というか、むやみに意味を考えさせる(考えることを強いる)という理由で宜しくない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)3819695[*] ぽんしゅう[*]

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