[コメント] マンディンゴ(1975/米)
傑作。室内、特に夕食のシーン等の照明の暗さがまずいい。多分リアリズムを志向した結果なのだろうが、通常リアリズムは映画をダメにすることが多いが、これは映画的だ。
また、異様な構図の挿入も巧みだ。まず、随所で斜め構図が現れるが、ロングショットなので突出感なくジワリと落ち着かない感覚を植え付ける。さらに屋内の人物をローアングル広角レンズで撮ったオーソン・ウェルズばりの畸形な画面がいくつかあり、観客の気持ちを操作する。ジェームズ・メイソンの傲岸なキャラクター造型、ペリー・キングの跛行(俗にいう「びっこ」)や南部独特の樹木の気味悪さも、畸形な画面と相まって、イヤラシさの醸成に効果を上げていると云えるだろう。エンディングの過剰な展開含めて、このリチャード・フライシャーの徹底性は素晴らしい。
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