序盤は広瀬すずがかなり挑戦的なキャラ造型で違和感があり、吉沢亮の「影が薄い」という設定が首肯できなかったり、ゲスト出演者の多さもあって、ノイズが気になった。正方形の画角で挿入される回想シーンも力が無いと思った。

　また、観客には見せられた情報だが、その登場人物は知らないんじゃないの？という事柄がいい加減に処理される部分も気になった。例えば、薬の取説がゴミ箱に捨てられているクダリだとか。

　そんな中で、一番気に入ったのが、仏壇に置かれたホログラムだ。これいいです！全体、木村多江のキャラがいい！木村多江は本作の救い、と云うべきだろう。これも彼女の出る場面だが、一級河川「三途の川」の描写も好感。作り過ぎていないシンプルさが良いのだ。また、この関連で云うと、リリー・フランキーも、安定した面白さだ。そして、ホテルのライブ／葬儀シーンにおける「水兵リーベ僕の船」のバラードの歌唱が意外性もあり、また思いの外美しいく、胸を打つのだ。これは明記すべきだろう。

＃他にも設定やオチの違和感は多々ありますが、どれもネタバレになりそうなので割愛します。