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[コメント] 博士と狂人(2019/米=アイルランド=仏=アイスランド)

題材の先入観から、もっと格調の高い、鈍重な映画かと思っていたが、とてもスピーディな、劇的な映画だ。全く今日的な演出とカッティング。細かくカットを割る。ちょっとカットを割り過ぎでいて、もう少し落ち着いて回して欲しい、と思ったシーンも多い。
ゑぎ

 今日的な演出というのは、よくある、ありきたりな演出、と言い換えてもいい(あるいは10年後には古臭い演出になっているかも知れない)。

 しかしだ、アクターズ・ディレクションとプロット展開の大胆さと周到さは、狂気的な域じゃないか。私は、何よりも、ショーン・ペンナタリー・ドーマーの恋愛譚になっていくのが凄いと思った。看守の一人、マンシー役のエディ・マーサンの献身も効く。メル・ギブソンには妻のジェニファー・イーリーがおり、ペンにはマーサンがいる、というスキーム(企図)が奏功しているのだ。また、内務大臣の扱い、見せ方もよく考えられている(彼の英米での人気の高さをうかがわせます)。

 精神病院長が中途半端な描き方だったり(途中で人が違ったように、暴力的な治療法に固執したりする)、ショーン・ペン回復の描写の希薄さ、メル・ギブソンの復帰の唐突さ(ある意味いい加減さ)など、後半はアラも目立つのだが、それでも、侮れない、見事なコスチュームプレイ。パワーのある映画だと思う。

(評価:★4)

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