[コメント] 廃墟の守備隊(1952/米)
ただし、『サハラ戦車隊』も、1937年のミハイル・ロンム作『十三人』(『Trinadtsat』/『The Thirteen』)というソビエト映画をリメイクしたもので、実は、本作はコルダ版よりも、ロンム版の方に、より近いと云えるだろう。まず、第一に、『サハラ戦車隊』には女性が一人も登場しないのだが、ロンム版と本作には、男たちに交じって、女性が一人投入されている点。第二に、砂漠の美しさ自体をスペクタクルとして画面に定着させようとしている点。この志向はロンム版と本作に顕著なのだ。本作では、砂漠の夕景をバックに、ブロデリック・クロフォードやミッキー・ショーネシーら騎兵隊員がシルエットで会話する、とびっきり美しいカットがある。
また、砂漠の中の廃墟に陣取ったクロフォード達を、先住民が、最初に襲って来るシーンが凄いことになっている。まるで火の七日間の巨神兵の所業のよう、と云うとちょっと大仰だが、衝撃は近いのだ。第二次大戦を舞台にした『サハラ戦車隊』以上の火薬量じゃないか。この後、廃墟の井戸の水をめぐる、敵(本作ではコマンチ族)との交渉場面となり、こゝが三作に共通する見せ場だが、最後の襲撃シーンも本作が圧巻の出来映えと云えるだろう。
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