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[コメント] 魔女がいっぱい(2020/米)

主人公の少年を励ますお祖母さん、オクタヴィア・スペンサーの場面がいいなぁ。モータウンサウンドとダンス、コーンブレッドがメッチャ美味しそう。屋内の光の表現も美しい。本作も、ゼメキス+ドン・バージェスのコンビ作。全く安心して見ていられる品質だ。
ゑぎ

 そして、何と云っても大魔女、アン・ハサウェイの造型が見どころなのだ。ゴージャスな衣装。独特のイントネーション(見ている間はドイツ語訛りなのか?と思ったが、見終わって調べると、古代ノルウェー語訛りらしい)、手袋と靴とカツラによる象徴の隠蔽。それら含めて、なんともセクシーなキャラ造型なのだ。

 アクション場面のスリルの創出は、若干弱いと思ったが、ホテルのバルコニーを使った高低の見せ方なんて、まあ見事なものです。あるいは、食堂でガーリック抜きの豆スープを食べるシーンでの、スペンサーとアン・ハサウェイの視線の交錯の演出も!あと、ストリンガー3世という大袈裟な名前のホテル支配人、スタンリー・トゥッチのコメディ演技も面白い!

 さて、プロローグのスライドを使ったプレゼンの出だしは、良い始まりだと思った。それに、エピローグもこの場面に戻ってくることは自明の構成で、どんな愉快な締め括りか、楽しみにしていた。ところが、これが少々扇動的過ぎるエピローグになっており、複雑な気分にさせられたのだ。魔女狩りのアジテーション。敷衍すれば、対立構造や対立者の駆逐の肯定というか。ま、ともあれ、これを見て、魔女が可哀そう、と思う良い子も沢山いそうな気がします。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)シーチキン[*]

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