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[コメント] 佐々木、イン、マイマイン(2020/日)

傑作。だいたい、タイトルの読点とカナ遣いが、いいじゃないか。もう何と云っても、タイトルが表す通り、佐々木、細川岳が愛おしい。
ゑぎ

 佐々木コールや、線路横での自転車との併走(爆走)や、バスケのパスや、お父さんとのテレビゲームや、お父さんを捜して走る姿や、パチンコ屋の開店前の列に横入りした若者との喧嘩や、といったシーンも、忘れがたいが、しかし、白眉はカラオケのシーン周り、ということで衆目の一致するところではないでしょうか。中島みゆきの「化粧」。徹夜して夜明けのカラオケ店の前に出て来、「また」と云って別れる場面の淡い光が切なさを増幅する。苗村さん、河合優実がなんとも微妙な表情をしているのも、とてもいいのだ。いや全編に亘って、四宮秀俊秋山恵二郎のタッグは、現在の日本映画界において最強の撮影照明タッグではないのかと思わせる。藤原季節萩原みのりの住むアパートでの、夜から朝にかけての照明も見事な造型だと思う。エンディングの処理も、観客の心持ちに応えたということで、当然の選択だろう。さらにエンドロールで、もう一度、カラオケの「化粧」が流れるのだ。タマラナイ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)緑雨[*] おーい粗茶[*] セント[*] なつめ[*] けにろん[*] ぽんしゅう[*]

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