コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] シン・ウルトラマン(2022/日)

面白かった。ずっとニヤケながら見た。ウルトラマンシリーズと『シン・ゴジラ』のパロディというか、ほとんどコントのような面白さが横溢。冒頭の状況紹介部分で、テロップが読めない早さで切り換えられていく処理なんかもジョークのようなものだと解した。
ゑぎ

 ただし、映画の画面としては、良い構図が僅少で、ちょっと寂しい成果だと思う。例えば、ウルトラマン登場直後の場面、電気を食うネロンガを左に、ウルトラマンを右端に映す、シネスコサイズを活かした良い構図のカットがあったのだが、これが一秒もなく切られたのだ。2秒ぐらい見せても良いだろう。この処理を見た時点で、この作り手は、構図フェチではないと知れ、がっかりした。

 また、広角レンズを使った仰角カットの多用にも辟易した。特に屋内、事務所内での、小物などで画面大部分をマスキングし、人物を左右の角に映したカットの頻出は、下品とすら感じられてくる(テレビシリーズでよくあった印象だが)。こういうカットは(映画では)、こゝぞという時に使う、というぐらいで良いと思うのだ。あと、長澤まさみのスカートスーツでの、カチッとしたフルショット(できれば横移動カット)も欲しかったと思う。

 さらに浅薄な感想を続けると、すぐにウルトラマンが斎藤工だと周知の事実になる展開は、私にはとても意外だったし、彼のキャラ造型の徹底も厳しくていい。西島秀俊率いるチーム、チームメンバに関するヘンテコ描写は、最初に書いたコントのような面白さ、として私は見た。その他、山本耕史もタイプキャストのキライはあるが、似合い過ぎていて、これもコントとしての良さだろう。

 また、どこまでが、スーツアクトなのだろう。エンドロールで、古谷敏の名前が2回ぐらい出てきたが、擬闘シーンはほとんどCGなのかと思いながら見ていたのだ(しかも、まだまだ技術的ブレイクスルーが必要だと思いながら)。あと、クライマックスの宇宙での闘いとその後の死活の場面の見せ方は、とてもシュールで、私はいいと思った(CGの限界を逆手にとった表現だと勝手に受け取ったのだが)。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)DSCH[*] 緑雨[*] ダリア[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。