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[コメント] トップガン マーヴェリック(2022/米)

前作を踏襲するオープニング、戦闘機とKawasakiの併走シーンにワクワクする。勿論、クライマックスの空中戦の見せ方、カット繋ぎが何と云っても一番興奮させられるところなのだが、いくつかのプロットの反復も憎たらしいくらい上手いと思った。
ゑぎ

 例えば、冒頭のマッハ10への挑戦シーン(エド・ハリスがいい!)の終わりに、トム・クルーズは基地と交信不能状態となるが、こゝは序盤だし、クルーズが死ぬワケない感の満載な場面だ(この後、ダイナーでの少年とのやりとりが可笑しい)。この感覚が、終盤でも、艦上の司令部、ジョン・ハムらとの交信が途絶えることで反復される。あるいは、訓練場面の最後にクルーズが2分15秒でシミュレーションを成功させるシーンを見ている際に、私は、どうしてこゝで全部見せるのだろうと、もっと云えば、これと同じことを襲撃本番シーンで見せられることになるのだろうから、もうちょっと、出し惜しみしてもいいんじゃないか、と思っていたのだが、いや、本番シーンは、予想外の敵地の環境やその他の障害を繰り出してきて、ずっと過剰に見せてしまうのだ。他にも、かつてジェニファー・コネリーを勝手に軍機に乗せて処分された、という話が出て来るが、これをちゃんと画面で反復する、といったシーンもある。

 さて、クルーズとコネリーという惚れ惚れするようなミドルエイジのカップルの恋愛譚にも、酔いしれてしまう映画だが、私としては、(クルーズは、他でもヒーロー像をよく見るので)コネリーの変わらぬ美貌というか、さらに極まる魅力にメロメロになってしまった(ただし、ちょっと品を作り過ぎる演出だと思う部分もあるけれど)。

 あと、ビーチでバレーならぬ、アメフト。これでコミュニケーションが良くなった、という展開は、お約束なのかも知れないが、ほとんどこれだけ、っていうのは都合良すぎる感がある。あるいは、クルーズ以外の訓練生たちが、本番突撃するスキルには、全然至っていないと思われる、というか、いつ向上した?と思わせるのだが、このあたりも、きちんと描くとあと30分くらい必要なので、活劇としては、これぐらい端折っても良いのだろう。にしても、マイルズ・テラーの未熟さを前半で強調し過ぎていたとは思うが。

(評価:★4)

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