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[コメント] ラーヤと龍の王国(2021/米)

大人も子供も十分楽しめる活劇になっているが、突出した魅力に欠けるように思う。まずは、ドルーンという名前の「敵」に魅力がない、というか魅力を見いだしようのないモノなのだ。
ゑぎ

 ドルーンって怖くないわけではないが、弱点がはっきりしていてスリルが限定的だし、最後にボスキャラ、みたいに段階的に強度が上がるでもないし、いや、なんら意思が描かれないので、キャラクターとも云えないものだろう。それに、主人公が各地(各国)で集める「龍の石」の欠片というアイテム、これが案外簡単に手に入るのだ。トントンと早くプロットが進む、という良い面もあるかも知れないが。

 さて、日本語字幕版を見たが、主人公ラーヤは、ケリー・マリー・トランがやっており、この声はとても綺麗と思った。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のローズの人。また、ラーヤの顔のデザインも好感を持つ。ラストドラゴンのシスーの声はオークワフィナで、ハスキーボイスが耳に残る。この人も芸達者ぶりを見せつけるが、ジョークはイマイチうけない。こゝまでコメディ寄りの科白ににしなくても良かったのでは、と思う。アルマジロのデカイ生き物、トゥクトゥクも画面に変化をもたらす良いキャラクターだ。顔の大きさは違和感有りだが。あと、赤ちゃん可愛い。赤ちゃんが一番好きかも知れません。

 画力という意味の見せ場で云うと、水の描写は相変わらず素晴らしい。本作でも、水場や雨のシーンが無数にあり、水は画面的な主題だ。雨の魔法は、同時上映された短編『あの頃をもう一度』にも繋がっていて感動した。あと、女性の髪の毛や、赤ちゃんのほっぺたの質感も見事だし、トゥクトゥクや、猫に騎乗する人の、身体の運動表現もいいと思った。

(評価:★3)

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