[コメント] 本日休診(1952/日)
佐田の母親を演じる田村秋子が主人公の次に出番が多いのではないかと思える目立つ役で、実に雰囲気を盛り上げる。この人、市川崑『こころ』(1955)でも端役ながら画面に安定感をもたらす良い役者だと思ったのだが本作では『こころ』以上に素晴らしい。そして本作にとって、コメディとしても風刺劇としてもその出来栄えに最も貢献しているのが三國連太郎の役柄だ。病院のばあや・長岡輝子の息子で戦争で頭がおかしくなった元中尉。この危なっかしいが憎めないキャラクターがとっても面白い。怪我をした雁を航空少年兵と思い込む、というプロットがラストで効いてくる。
さて、画面の特質は横移動もあれば、寄り引きも縦横無尽なカメラワークだ。ただし、アクション繋ぎには違和感のある部分がちらほら。わざとかもしれない。移動撮影のカットでアクション繋ぎをしようとしている部分があるが所以か。しかし逆にアイキャッチする効果も出ている。
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