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[コメント] 続・男はつらいよ(1969/日)

後半、寅が東野英治郎の先生の家で鍋をご馳走になるシーン。佐藤オリエが笑顔を見せながら奥へ立って行くバストショットをワンカット挿入するのだが、これがいい。もう唸ってしまうぐらい映画の幸福を感じさせる。 本作はシリーズ中で最も濃密な作品かも知れない。何より渥美清の気合がみなぎり、全力投球していることがよく判る。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 例えば、本作の寅がこけるシーンはシリーズ最高のアクションレベルだ。クレジットバックのサッカーボールを使った空振りキックを誰が忘れられよう。或いは、母親との再会後の京都の旅館のシーン、座椅子ですべって障子でもすべって庭先に転げ落ちる。

 またその他忘れがたい良いシーンが満載だ。山崎努に「てめえ、さしづめインテリだな」というシーン。東野英治郎の「NEVER!NEVER!!」という科白。或いはこの後シリーズで何度も登場する禁句ルールの設定からテレビのハナマルキのCMへの展開。母親・菊−ミヤコ蝶々のホテルの部屋での佐藤オリエと二人のシーンも面白いし、蝶々さんの科白回しはアドリブ半分っぽいが見事なもんだ。そして、エピローグの京都・三条大橋の場面、佐藤オリエのナレーションの哀感。寅とその母親・菊の愉快なオチ!

 また、この頃の倍賞千恵子は本当に綺麗で「さくらファン」としてはこれも見どころ。欲を云えば、もう少しさくらを登場させて欲しい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)ペンクロフ[*] イライザー7 死ぬまでシネマ[*] ナム太郎[*] 直人[*] ぽんしゅう[*]

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