[コメント] 上流社会(1956/米)
冒頭から、室内の人物の画面は、フルショット中心の構図が端正で感嘆する。また、フランク・シナトラが邸宅のライブラリーでグレイス・ケリー相手に「Youre Sensational」を唄うシーン。こゝのバストショットでの切り返しも、実に見応えがある。そして勿論、ビング・クロスビーの「True Love」のシーンは、こゝだけフラッシュ・バックが入る、たまらないセンチメンタルな演出だし、クロスビーとシナトラが酔っぱらって二人で唄う「Well,Did You Evah」のカメラの寄り引きも絶妙だ。
また役者では、ケリーの叔父役のルイス・カルハーンと、記者シナトラの相棒で、撮影担当のセレステ・ホルムがことごとく印象に残る。特に、セレステ・ホルムは、グレイス・ケリーがシーンを台無しにするはしから、シーンに充実を与えていく。
あと、サッチモ=ルイ・アームストロングが開巻と巻末を締める、狂言回し的役割なのだが、もっと出番を増やして、歌唱・演奏シーンを見たかったと思う。それに、ケリーの妹キャロラインの使い方が中途半端で、前半かなり目立つ役なのに、後半は殆ど消えてしまう。ちょっと面白い役なので、後半も前半のように活躍してほしかった。
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