[コメント] 動くな、死ね、甦れ!(1989/露)
スーチャン収容所のシーンは、どのシーンにおいても登場人物が怒鳴りあっているという印象で、これほど人物が怒鳴りあう映画はちょっと思い出せないくらいだ。ワレルカとガリーヤの会話も常に怒声。ワレルカと母もそう。母に横恋慕する青年が唄う鼻歌(?)のなんと暴力的な響き!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これは傑作でしょう。私の嫌いな演出(カメラワーク)も横溢しているのだけどこの力強さと瑞々しさは認めないわけにはいきません。
ワレルカが祖母の元へ向かう夜汽車のシーンあたりから、この映画の結末が充分に予想されるし、ガリーヤが突然浜辺に現れ強盗団に動揺を与えるシーンからのサスペンスも、予見されるストーリ的帰結へ向かってひたすら収斂されていることを理解しながら、しかしこの結末の突き放しは絶句する。裸の女を走り回らせる演出は好きになれないけれど、ガリーヤ一人を見せるだけで、ワレルカを見せもしないこの演出の冷徹さに心底ゾッとする。
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