[コメント] 聖メリーの鐘(1945/米)
多くの人がこの映画については真っ先にイングリッド・バーグマンの名前を上げているのだが、もう激しく同意いたします。ホントにバーグマンが輝くばかりの美しさだ。でもそれだけではないのですよ。
バーグマンのことを、レオ・マッケリーよりもダドリー・ニコルズよりもジョージ・バーンズよりもビング・クロスビーをも押さえて書きたくなるのは矢張り真の感動に値する彼女の独創的な演技が所以なんだと思う。それは例えば前半部分に顕著ですが、普通の女優なら「しかめっ面」なり眉根を寄せるなりするようなカットでも彼女は全く泰然と聡明な笑みを浮かべているんだこれが。このような意味で私は彼女が出ている殆ど全てのカットで驚かされた。ニコルズの脚本もマッケリーのディレクションも配慮が行き届いているのは確かだろうし、尼僧という役だからこそこのような鷹揚なキャラクターを造型できたには違いないのだが、それにもしてもバーグマンの聡明さには唸らずにはいられない。こちらの予測不能な表情を繰り出しながら画面に至福の時間を定着させるという意味においてこれを超える例が殆ど浮かばない。それがまた同時に本当に美しいのだ!
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