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[コメント] ブロンド・ヴィナス(1932/米)

同時期のスタンバーグ+ディートリッヒ作品『間諜X27』(1931)、『上海特急』(1932)に比べると幾分通俗的な題材で少々見劣りするが、それでも勿論、良いシーン、良いカットは枚挙にいとまがない。冒頭の全裸で泳ぐ女達のシーンからNYのアパート、バスタブの中の足へ繋ぐ時空を超えた視点移動でまずは仰天してしまう。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 若きケイリー・グラントはさしたる見せ場がある訳でもないが、本作の時点で既にかなりの存在感がある。ハティ・マクダニエルがメイドで出てくる、部屋に鳩や鶏がいる安宿のシーンと、そこから続く追っ手の男を誘惑するシーンもいい。南部の安酒場の雰囲気とディートリッヒの退廃的なムードがよく演出されている。スタンバーグの酒場のシーンはどれを見てもゾクゾクするような映画性がある。

#中盤のオーディションのシーンでディートリッヒは脚を見せろと言われてスカートを上げるが、脚のカットはわざと見せない。意図的なはぐらかし。

(評価:★4)

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