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[コメント] 痴人の愛(1967/日)

ちょっとやり過ぎの感はあるが、安田道代小沢昭一もまさにはまり役。どちらも同じぐらい強い。どちらも負けていない。それはつまりは増村が一番強かった、ということなのだろう。
ゑぎ

 田村正和倉石功の不良学生コンビのからませ方も鮮やかだし、小沢の母親・村瀬幸子の聡明な造型と安田の母親・清川玉枝のいい加減というか大らかさというかの表現も対比が効いていて見事だ。清川は実に上手い。

 ギャグのように反復されるシーン繋ぎが印象的。ひとつは、小沢の職場である工場の場面に入る際に、必ずお約束のようにパイプやダクトや煙突のカットが挿入される部分。そして、もうひとつは、安田が小沢の背に馬乗りになるシーン。最初にフルショットで示されるのだが、途中でカッティング・イン・アクションによって、寄りのショットに繋ぐ。

(評価:★4)

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