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[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)

ゴダールが『勝手にしやがれ』で創始したとされる、いわゆるジャンプカットを使ったダイナミズムの極限。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画の特質は決して「手持ちカメラによるブレの映像」ではない。「全編に亘るジャンプカット」こそこの映画の形式上の特徴だと思う。なぜなら、手持ちカメラであってもハリウッド的なカッティング・イン・アクションでスムーズにカット繋ぎをすることは可能だからだ。

 ただし、ミュージカルシーンはフィクスでフレーミングも編集も安定した画面だ。実を云うと最初のミュージカルシーンが出てくるまで、私は「もしかして、ラスト迄全てジャンプカットをやるのか?」と異様に興奮したのだが、ミュージカル場面ではハリウッド的な繋ぎになり少々がっかりした。

 しかし、この映画はビョークの圧倒的な存在感が支えていることに異論は無いが、同時に、ロビー・ミューラーが主役だと云っても良いぐらい撮影が突出して観客に迫ってくる。このこと自体、好悪が分かれることだと思うが、監督の意図をこれだけフォローしたロビー・ミューラーの撮影は凄いと思うぞ。

 あと、大好きなピーター・ストーメアがビョークに思いを寄せる重要な役を演じていてとても嬉しい。ピーター・ストーメアっていうのは、『ファーゴ』ではブシェーミの相棒役、『アルマゲドン』ではロシア人宇宙飛行士役をやった人。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)草月[*] 立秋[*]

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