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[コメント] バーバー(2001/米)

ビリー・ボブ・ソーントンの風情が圧倒的に素晴らしい。このエド・クレインというキャラクターの造型は映画史上に類例の無いものだろう。聡明さと馬鹿らしさ。寡黙と饒舌。複雑さと単純さ。ヒロイズムとアンチヒロイズム。とても格好良く同時にとても格好悪い。そして何よりもとても愛おしい。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 コーエンの演出は技巧的にはもう安定しきっていてマンネリズムを感じなくもない。車が中空を飛び、転げ落ちたホイールキャップのイメージでシーンを繋ぐ処理なんかもコーエンらし過ぎて鼻白む感がある。しかし、この映画では配役とアクターズ・ディレクションでキャラクターに新鮮味をもたらすお手本のような演出を目の当たりにすることができる。ビリー・ボブ・ソーントン以外にも、フランシス・マクドーマンドのある種の妖艶な美しさ。また、『ギャラクシー・クエスト』ではとぼけた技術主任チェン役だったトニー・シャローブの敏腕弁護士ぶりにも驚嘆する。そしてピアノを弾く娘として登場するスカーレット・ヨハンソンの扱い方!事故のシーンの後に彼女を登場させないところがコーエンの倫理感か。

(評価:★4)

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