少し前のクリスティーナ・リッチ。丸顔で小柄でどっちかいうとぽっちゃりしてるけどネコ目な辺り。そしてなにより、お互い小さい頃から「客を呼べる子役」として映画業界をひっぱってきた健気な生い立ちなど。とくに鈴木杏ちゃんなんか、邦画がしょぼくてどうしようもない頃から一人でがんばってきた。まだあの頃はまともに演技ができる子役なんて、彼女くらいしかいなかった。その後神木隆之介が出てきて、森迫永依が出てきて、いつの間にか「抜きん出た実力派子役」の座を自らの成長によって自動的に譲り、気づけば蒼井優や宮崎あおいや井上真央ら、子役時代は地味だった同世代の実力派達に居場所を奪われた。

そんな彼女はあきらかに自分のウリとは違うキャラに挑んでて（もうこれは一か八かとしか言いようがない）、懸命に演じている。私は、彼女の造形すらキャラクターにはやはり合ってはいないと思うけど、彼女の演技や醸し出そうとしている雰囲気は、やはり彼女のプロ意識、女優魂として努力して作ろうとしていたのだと思う。私は彼女の演じた叶小夜子という人物は好きだった。 高橋留美子の番外編漫画を火サスのクオリティにしたようなこの映画に関したら、もうそれが観られただけでもよかった。と思うのです。（08/6/10 DVD）