[コメント] 11′09″01 セプテンバー11(2002/英=仏=ボスニア・ヘルツェゴビナ=エジプト=イスラエル=メキシコ=日=米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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たまに「?」な作品もあるけど、やはり一人一人、文化や国籍によって捉え方や視点が全く違いとても新鮮な感じがした。イギリスのケン・ローチの作品は衝撃的で、彼自身、ホントにアメリカを好きではない(つーか嫌い)だろうが、アメリカという国の大きな矛盾を感じることが出来た。一人称の語り口と途中に入るモノクロの映像がリアリティを持たせていた。
アメリカのショーン・ペンは実にあの人らしいというべきか。自国の話であるのに、あそこまで冷静な視点で描けることに感心してしまった。初老のオッサンを主役に持ってきてあんな話作るか?決して何かを理解できるわけではないが心に残った。
今村昌平の作品はアイデアそのものは悪くないと思うが、ストーリーそのものに工夫がないし、最初と最後に入る台詞は、センスがなくてイマイチだった。
メキシコのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥは意図的に作ったのかもしれないけど、俺には手抜きにしか見えなかった。フラッシュバックと音声のみを用いて作られているが真っ暗すぎてつまらん。
とりあえず、しっかり名前を把握できている監督の作品についてだけ軽くコメントしてみたが、在米イスラム教徒の人の話は群を抜いて良かった。他にも佳作良作がとても多かったと思う。監督の手腕あってこそではあるが、作り手それぞれのこの出来事に関する想いや考え方が11分9秒1フレームの中に込められていて、いつになく真面目に観ることが出来た。映画という一つのフィルムを使って自らのメッセージや想いを伝えられること、そしてそんな彼らの熱意と想いを感じることが出来る映画だった。
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