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[コメント] キル・ビル Vol.2(2004/米)

「最終章」のダラダラした会話は『パルプ・フィクション』や『ジャッキー・ブラウン』の本編で幾度となく繰り返された会話の面白さとはかけ離れたもので、観ている内にダレてしまった。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ストーリーとしては良くできている。孤独な男・バドには哀愁が漂い、エル・ドライバーは予想以上のビッチだった。そしてVOL.2に来て初めて語られたビルとブライドの物語は泣けるほど切なく、一味違ったタランティーノを見せつけられた。しかも、モノクロで始まる本編には絵になるシーンが結構多かった。以前、タランティーノが出演していたテレビ番組で、タランティーノはマンガっぽい画風の自画像を描いていたのだが、ヘタクソだった。VOL.1にしてもそうだけど、絵心がないわりにはよく撮れていた。よくキャメラマンに意図を伝えられたな。まぁ、カットは具体的な映画のタイトルで支持していたみたいだし、彼の演出や映像作りは映画を観て得たものなんだろうけど。

映画としては部分的に素晴らしい盛り上がりを見せたものの、全体的にはテンポがイマイチでどうも締まってない。オープニングの教会でのシーンはクライマックスのブライドとビルの会話の伏線となるはずだったのだが、オープニングもクライマックスもどちらも冗長だったために何かもうどうでもよくなってくる感もある。つーかクライマックスは長さが命取りとなり、感動そのものが薄れてしまっていた。結果的に映画として一番盛り上がったのはエルVSブライドの対決(ビッチ対決)だったように思う。

あともう少し時間が経てば、大して心には残りそうもない作品ではあるのだが、タランティーノの時折空回りする情熱はよく伝わってきた。次回作には期待したい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ざいあす[*]

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