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[コメント] 世界の中心で、愛をさけぶ(2004/日)

永遠にそこに留まり続けるから美化されたもの。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







中高生の恋愛って、切なさやら失恋やらが付きものである。「何であんなやつ好きになったんだ?」ってこともあれば、「あの場面であんな風にしておけば、向こうからフラれることはなかったかもしれない」という激しい後悔の念に駆られることもある。その頃のせつな〜い思い出を反省しつつ旅立つわけで。

森山未來演じる朔太郎と長澤まさみ演じる亜紀の二人は互いに好きで好きでどうしようもなかったような時期に別れが訪れた。亜紀が死なずに二人の関係が続いたとしたら、当然もっとたくさんケンカしただろうし、どちらかの気持ちが冷めて、全国に溢れかえっているであろう、この映画をデートで観に行った高校生カップルの皆さま方のように別れたかも知れない(俺の周辺でこの映画を劇場で観たカップルは、現在だいぶ別れてます)。

しかし二人の恋愛は自分たち自身で終止符を打たれることはなかった。それは永遠に気持ちが変わることなく「好き」な状態のまま、同じ場所に留まり続けることとなった。だから朔太郎は大人になってもそれを単なる思い出にできずに心の中で引きずったままだった。

そんな二人の恋愛の輝かしいシーンは「助けて下さい!」という叫びと一緒に「泣けよホラホラ、お〜ん?」という製作サイドの声が聞こえたような気がしようと、髪が抜け落ちた亜紀が白血病患者と言うより、元気で若々しい「尼さん」にしか見えなくとも、長澤まさみがカワイイことを理由にツッコむのを忘れる。そのくらいの魅力が彼女にはある。

逆にしょうがなく柴咲コウを出演させて展開させる現代パートは「何で学校やら病院に大沢たかおが簡単に入れるんだ!不法侵入やないかい!」「写真屋の爺さん昔と全く変わってないやないか!」と思ってしまう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ペペロンチーノ[*] ぽんしゅう[*] Madoka

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