[コメント] トラフィック(2000/独=米)
最近、日本のテレビでも「錠剤みたいなクスリのMDMAが若者を中心にここ数年の間で、安価で購入できるためなのか知らんけど、急速に使用が増えちゃってます」「大麻を吸って逮捕された女子高生は‘マリファナで逮捕されんの知らなかった’とほざいてます」「どっかの高校で生徒にクスリを売りさばいていたバイヤーの高校生が逮捕されました」みたいなニュースを聞くようになった。MDMAはここ数年の間で広まったみたいだが、去年(2004年)の春先にニュースを見るまで存在すら知らなかった。要するに一般人がよく知らない間に海を渡る量が増えてきていると言うことである。最近の「金八先生」じゃドラマとはいえ中学生が覚醒剤に手ぇ出してる始末だ。
そんな状況だからこそ、『トレインスポッティング』やら『レクイエム・フォー・ドリーム』やら『パルプ・フィクション』やら『ブロウ』みたいな映画で、思いっきり生半可かつ一面的なドラッグの使い方を勉強した俺は、「覚醒剤とか純度の高いコカインだとぶっ飛んじゃうかもしれないけど、マリファナくらいなら吸っても大丈夫だろ」と思ってしまいつつあるので、黒い肌の怖い外人のお兄さんに「THIS IS 20$.ふぁっきゅーふぁっきゅー」と突き出されたのがマリファナであれば、「それじゃあ一本だけ・・・」とやりかねないのである。高校や中学の保健の授業で一コマか二コマ使って授業するだけで、説得力なく「ダメ、ゼッタイ!」とだけ教えられている人たちはもっとアブナイのである。
この映画ではストーリーは解決を見せず、登場人物の行動が新たな一歩を踏み出したところで終了する。まあ、問題提起から何歩か踏み込んだ段階。だが、映画は必ずしも明確な答えを提示しなければならない必要があるか?あくまで実状は現在進行形であって、週刊誌によれば六本木も相当来てるらしいというのに。
たまに酒盛りやって煙草ふかしてる標準的な日本の高校生たちのテーブルに、キリンやアサヒやラークやマルボロと一緒に白い粉が並ぶ日が近いかもしれないというのに、これを「映像は凝ってるねぇ。しっかし長いなぁ〜」と欠伸しながら観ていていいのだろうか?
製作から五年。この国もこの映画を現実問題として真剣に受け止めようとしなければならない。今んとこ、他の問題対処だけで随分とお忙しいようだから、なおさらね。
※割とダレた人も多いみたいですが、構成も撮影も凝ってるし、俳優も良かったし、個人的には娯楽として十分に楽しめるもんでした。
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