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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002/米=ニュージーランド)

1年間、中つ国で過ごす3時間に身を委ねるのを待っていた。その期待を越える圧倒的なスケール、ドラマ。完璧だ。
JKF

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







第一部を観て中つ国の世界にハマり、原作を読んで、気が狂いそうなくらい待ち続けていた人間にしてみても、この出来は予想以上だった。「THE LORD OF THE RINGS」のタイトルが暗闇に浮かんだ瞬間、体が震え「遂にこの時がやってきた・・・」と涙が出た。

しょっぱなから度肝抜くようなガンダルフとバルログの物凄い死闘で圧倒され、3時間がほんの一瞬の出来事のように感じられた。指輪によってつなげられたフロドとゴラム(スメアゴル)の不思議な共通点と関係。サムの熱い演説。旅は更に奥深くへと続いていく。そしてそれと共に暗さも増して行くが、二つの人格を持ったゴラムのやりとりや、戦闘直前の状態でも「前が見えない!」と言って騒いでいるギムリなどちょくちょく笑わせる部分があったのも良かった。

スプラッタ出身のぴーじゃく様の真の実力が発揮されたグチャグチャでメチャメチャでキン!ブシャーギュオ!シャー(効果音)なヘルム峡谷の戦いにはとにかく圧倒され最高の興奮を味わうことが出来た。普通の大作映画での戦闘シーンならここまで興奮することはなかっただろう。でも中つ国の世界に入り込み圧倒されている俺は立ち上がって叫びたくなるほどに興奮していた。ガンダルフがエオメルの軍を連れて戻ってきたとき、エント族がアイゼンガルドを破壊した時にはもう体が震えて心の底からこの映画に出逢えたことに喜びを感じた。

そして何よりも戦闘シーン、壮大な自然を駆けるアラゴルン達のシーン、ゴラム(スメアゴル)のシーン、サムの熱い演説・・・。どれをとっても第一部以上に気合いの入った役者達、製作者のとてつもない、物凄い魂と情熱が伝わってくる。

たしかにこの映画にだってマイナス点はある。アラゴルンとアルウェンのラブロマンスは絶対要らないと言い切ることが出来るほどにムダだし、ストーリー自体にも結構唐突な部分がある。しかしそれを映画に吹き込んだ生命で、魂で、そして圧倒的なスケールを持った世界で補い、そして胸を熱くさせ心を動かすパワーをこの映画は持っている。スクリーンを通して指輪の魔力が伝わってくる。旅の仲間たちの、哀れなゴラム(スメアゴル)の気持ちが伝わってくる。

たった1つの指輪から始まる壮大な歴史。壮大な物語。壮大な世界・・・。ホントの主人公は指輪なのかもしれない。そしてその1つの指輪の力はまず旅の仲間を巻き込む。そしてエルフ、ドワーフ、人間、エント・・・中つ国にいる<大きい人>も<小さい人>も全てを巻き込み、そしてスクリーンから観ている俺らまでをも、深い、先の見えない物語へと巻き込む。この物語は俺を動かした。見終わった直後は第三部への期待と共に、大きな勇気を与えられたような気がした。

「もうここは映画館のスクリーンなんかじゃない!ここはもう中つ国だ!!」劇場にいる間はホントにこんな状態だった。フロドとサムは本作のラストで言っていた。「この先、自分たちが物語の主人公になるかもしれない」と。この地球でも「勇敢なホビットのフロドとサムの話をして!」と、三部作全てが終わったとき、こんな事を言う子供がいてもおかしくなさそうだ。もし将来、ホントに「フロドとサムの話をして!」なんてこと子供が言った日には・・・。俺は・・・

それにしても、地球に住む人間はつくづく弱い。スクリーンを通して伝わってくる指輪の魔力に簡単に引き寄せられてしまうのだから。もうだめだ。「二つの塔/スペシャル・エクステンデッド・エディション」の発売前に既に気が狂いそうだ。

(評価:★5)

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